2024/4/20
呼吸用保護具のフィットテストを1年以内ごとに1回実施が義務化されました。
金属アーク溶接等作業中に発生する『溶接ヒューム』による健康障害を防ぐために、従事する労働者は有効な呼吸用保護具を使用しなければなりません。そこで「継続」して行う「屋内作業場」の労働者は、呼吸用保護具を適切に装着できていることを確認するため、フィットテストを1年以内ごとに1回実施することが義務となりました。
作業環境測定結果が第三管理区分になった場合、措置が強化され、主に以下の対策が必要となりました。
フィットテストとは
マスクのフィルター性能がどんなに優れていても、マスクが顔にフィットしていなければ本来の性能が発揮されません。その為「フィルター性能」と「顔との密着」の両方を確認する必要があります。
マスクが着用者の顔に密着(フィット)しているかを評価するために行うテストをフィットテストと言います。
対象呼吸用保護具
※屋外作業者、「電動ファン付きマスク ルーズフィット形」はテスト不要です。
取替え式
全面形面体
取替え式
半面形面体
使い捨て式
半面形面体
フィットテストを実施する人の資格については法令上の定めはありません。しかし、フィットファクタの精度等を確保する為、十分な知識と経験を有する者が望ましいとされています。
計測装置を用いて面体の中と外の粒子の個数を計測し、呼吸用保護具と顔面との密着性を確認する方法。
下記2種のうちいずれか
標準フィットテスト
短縮フィットテスト
凝縮核カウンタ(CNC)の計測装置に限ります。
測定時間は標準に比べ、約1/3に短縮できます。
被験者がフードを被り、フードの中にサッカリンなどを噴霧して、甘味成分の味覚の有無で密着性を確認する方法。
※半面形面体のみ
前述したように、フィットファクタはマスクの外部と内部の粉じん量を計測して、着用者にマスクが適切に装着されている程度を表す係数のことです。
下表の要求フィットファクタの値を上回っていたら合格となります。
面体の種類 | 要求フィットファクタ | 定量的フィットテスト | 定性的フィットテスト |
---|---|---|---|
※半面形面体で定性的フィットテストを行った結果が合格の場合は、フィットファクタ100以上とみなします。
専用の計測装置を用いて、面体の中と外の粉じん粒子の個数を計測し、呼吸用保護具と顔面との密着性を確認する方法です。
定量的フィットテストにはマスクの加工が必要となります。
加工したマスクは、実際の作業では絶対に使用しないでください。
被験者が呼吸保護具を着けてフードをかぶり、フードの中にサッカリン等の試験溶液を噴霧して、甘味成分を感じるかの有無でフィット性を確認します。
甘味を感じなかった場合はフィットファクタが100以上であるとします。
定性的フィットテストにはマスクの加工が不要です。
プローブキット 100セット
粒子発生器 AccuFIT9000PRO用
ソフトタイプキャリングケース AccuFIT9000PRO用
交換用ペアチューブ (1.5m) AccuFIT9000PRO用
交換用トアロンGチューブ (10m) AccuFIT9000PRO用
フィットチェックプローブ (50個入) AccuFIT9000PRO用
・MT-11D型/MT-05U型 共通
チューブジョイントセット チューブジョイント ストッパー 100セット
チューブジョイント取付工具 MT-05U型用
粒子発生器 MT-11D・MT-05U型用
塩タブレット100錠 粒子発生器用 MT-05U型用
サンプリングチューブ(ペアチューブ) 1.5m 5本入 MT-05U型用
チューブ1.5m 5本入(透明4本・緑色1本) MT-11D・MT-05U型用
試験ガイド10個入 (チューブコネクター2個入) MT-05U型用
使い捨て試験ガイド100個入 MT-05U型用
・MT-05U型専用
●定性的フィットテスト
フィットテストキットFT-10
フィットテストキット FT-10
FT-11 感度テスト溶液 6本入
FT-12 サッカリン液 6本入
FT-13 ネブライザー 3本入
FT-14 フード 10個入
FT-15 カラー 1個入
FT-31 感度テスト溶液(苦味) 6本入
FT-32 フィットテスト溶液(苦味) 6本入
定性的フィットテストキットFIT-Ⅱ型
フィットテストキット FIT-Ⅱ
FIT-2型用 交換用溶液セット
FIT-2型用 交換用フード 10枚入
FIT-2型用 交換用噴霧器 2個入
取替え式防じんマスク、電動ファン付き呼吸用保護具の定量的フィットテストには、サンプリングアダプターが必要です。使い捨て式防じんマスクの場合は、プローブキットが必要です。
定性的フィットテストの場合は、マスク加工は不要です。
加工したマスクは、実際の作業では絶対に使用しないでください。
作業環境改善を実施することが大前提として、管理濃度を超えて第三管理区分になってしまった場合、呼吸用保護具はばく露防止対策の『最後の砦』としてとても重要です。下記のフローに沿って有効な呼吸用保護具の選択・使用をお願いします。